COLUMN 自動発注システムの種類と特徴とは

自動発注システムは、食品スーパーやドラッグストアを代表とする小売業はもちろん、卸売業や製造業など幅広い業界で利用されている技術です。
発注業務の効率化において欠かせないシステムで、今まさに自社への導入を検討している方もいるのではないでしょうか。
自動発注システムの歴史は長く、一口に自動発注システムといっても様々な種類があります。
そこでこの記事では、自動発注システムの種類や特徴についてご紹介致します。

自動発注システムの発注方式の違いと特徴

(1)セルワンバイワン方式

約30年前に米国の大手食品SM企業が開発し、当時日本でも高い関心を得て大手SM企業を中心に導入された方式です。
セルワンバイワン方式の自動発注は一つ売れると一つ発注がかかるという単純な仕組みの発注方式です。

〈メリット〉

  • ・販売のあった商品を売れた分だけ補充するため手動発注と比較して発注漏れが発生しづらい。
  • ・単純な仕組みのため、店舗従業員への教育コストが低い。

〈デメリット〉

  • ・需要の増減に対応できないため欠品や過剰在庫発生しやすい。
  • ・売り切り終了予定の商品等、メンテナンス漏れで再入荷してしまう。
  • ・多頻度少量発注になりやすいため、店舗での品出し回数増加や物流効率低下が発生する。

(2)発注点方式

発注点方式はあらかじめ発注点と目標在庫数を設定しておき、在庫が発注点を下回ったら目標在庫数までの量を発注する方式です。
前述のセルワンバイワン方式と比較して発注頻度のコントロールがしやすいという特徴があります。

〈メリット〉

  • ・発注点と目標在庫数を適切に設定することで発注頻度をコントロール最適化できる。
  • ・安全在庫の考え方を組み合わせることである程度の需要の増減に対応できる。

〈デメリット〉

  • ・需要の増減に合わせて発注点と目標在庫数の設定を変更する必要があり、発注担当者の負荷が大きい。
  • ・発注担当者の経験と勘に基づいて発注点、目標在庫数を決定するため、担当者の技量によって発注精度にブレが発生してしまう。
  • ・また、納品頻度のコントロールもシステムへの高い理解が求められるためベテランの担当者でないと適切な設定が難しい。

(3)需要予測方式

商品の過去実績データからシステムで商品需要を計算し、最適な発注数量を算出する方式です。日々データを追加して発注数量に反映させることで欠品の防止や在庫の最適化を実現することができます。
予測数量の算出には数学的手法を用いたルールベースAIに加えて、最近では機械学習型AIを用いることもあります。
弊社ソリューションであるB-Luck自動発注はルールベースAIを用いた需要予測型自動発注システムです。
https://b-luck.jp/function/auto-order/

〈メリット〉

  • ・過去の販売実績データから商品がどれくらい売れるか予測して発注を行い、過不足のない適正在庫を確保することが可能になります。販売期間損失や過剰在庫を抱えるリスクの軽減につながります。
  • ・今まで担当者が経験と勘で予測していた部分がシステム化されることにより、属人化の解消が実現できます。
  • ・導入にあたって様々なデータが一つのシステムに集約化されることになります。それらを分析し有効活用することで新たな価値の創出につながります。

〈デメリット〉

  • ・予測に必要な情報をデータとして揃える必要があり、セルワンバイワン方式等と比較して導入のハードルが高い。
  • ・予測精度の向上にはパラメータのメンテナンスやデータ精度向上が必須であり、運用担当者がシステムをよく理解しておく必要がある。

需要予測手法の違い
(ルールベース型AIと機械学習型AI)

ルールベースAIとはあらかじめ定義されたルールに基づいてAIが作業を行います。
人間がAIに定義したルールの中で状況を判断し、正確な結果を出力することができます。
対して、機械学習型AIは与えられたデータから自ら学習して解析することでパターンを見つけることができます。適切な学習データが十分に準備できればより複雑な状況や新しい状況に適応可能することが可能です。
一見すると機械学習型AIのほうが優れているように感じますが自動発注に活用する場合のそれぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。

ルールベース型AI

〈メリット〉

  • ・発注数量を決定する仕組みが明示的に定義されており、システムの動作が理解しやすい。
  • ・プログラマが発注を決定する仕組みを直接制御できるため、結果が予測可能で意図しない結果が生じにくい。また、出力された結果がブラックボックス化しない。
  • ・発注を決定する仕組みに専門知識を組み込むことで特定の業界やタスクに適した解決策を用意できる。

〈デメリット〉

     

  • ・新たな問題や状況に対応するためにはルールの改修が必要であり、迅速に変更ができない場合がある。
  • ・多数の状況に対応するためには仕組みが複雑化するためプログラムの整合性や競合の問題が発生することがある。

機械学習型AI

〈メリット〉

  • ・人が事前に設定出来ないようなルール・パターンにおいても、機械が関連性を見出してくれることがある。
  • ・複雑なパターンやトレンドを識別してより高精度な発注を実現できる可能性がある。

〈デメリット〉

  • ・「ブラックボックス」問題として知られるように、なぜその結果が得られたのかが不明瞭なことがある。
  • ・正しい結果を得るためには適切なデータが大量に必要となり、学習には多くの時間とコストが必要になる。
  • ・質の悪いデータや偏ったデータは、誤った予測を引き起こすリスクがある。

上記の通り必ずしも機械学習型AIが優れているというわけではないということがおわかりになるかと思います。
どちらもメリット・デメリットがあり、目的に合わせて適切に選択することが必要になります。

まとめ

この記事では自動発注システムの種類や特徴についてご紹介させていただきました。
自動発注システムは適切なソリューションを選択し正しく運用することで大きな業務改善効果を得られるソリューションです。
自動発注システムのご導入をお考えの際は、ぜひB-Luck需要予測型自動発注をご検討ください。
B-Luck需要予測型自動発注は多数の小売業、卸売業様にご導入いただいており、様々な企業様の発注や在庫管理に関する課題や悩みを解決してきております。
発注や在庫管理についてお困りの際はぜひお気軽にご相談ください。

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