COLUMN AIを活用し発注業務を自動化
~小売業の生産性向上を実現する方法をご紹介

2024.11.21

人手不足やDX推進など、業務効率化および生産性向上が求められる小売業においては、近年、発注業務の業務改善を進める動きが活発になっています。このような中、AI(人工知能)を活用して需要予測を行い、発注業務を自動化する動きが見られます。

需要予測や発注業務に対して煩雑さや属人化などの課題を抱えており、AI活用による自動化を検討されている方も多いのではないでしょうか。今回は、発注業務の自動化の概要やメリット・デメリット、AI自動発注の導入・活用のポイントをご紹介します。ぜひ参考にしてください。

AIによる発注業務の自動化とは?

AIを活用して発注業務を自動化するとは、どのようなことなのでしょうか。概要を確認しておきましょう。

AIによる発注業務の自動化とは、過去の発注実績データから、システムを通じてAIが商品需要を計算し、最適な発注数量を自動算出する仕組みを指します。

日々、発注データを追加していき、発注数量に反映させることにより、欠品の防止や在庫の最適化にもつながります。

発注業務の自動化には、「自動発注システム」の導入が必要です。自動発注システムには、主に3つの方式があります。

自動発注システムの方式

3つの方式とは、セルワンバイワン方式、発注点方式、需要予測方式です。このうち、AIによる需要予測を搭載できるのは、需要予測方式です。簡単にそれぞれの方式の違いをご説明しましょう。

セルワンバイワン方式とは、「一つ売れると、一つ発注がかかる」という単純な発注方式です。簡単に扱うことができる一方で、需要の増減に対応できないため、欠品や過剰在庫につながりやすい点がデメリットです。

発注点方式とは、あらかじめ定めた発注点を在庫数が下回ったら、目標在庫数まで発注する方式です。発注頻度のコントロールを最適化できる一方で、需要の増減には発注者が予測して目標在庫数を変更する必要があるため、調整作業が発生します。

需要予測方式とは、過去実績データからシステムが商品需要を計算して、最適な発注数量を算出する方式です。経験と勘による予測をシステム化することで負担や属人化を減らし、過不足なく適正な在庫管理をすることができます。

需要予測方式のシステムにAIを利用する場合、ルールベース型AIと機械学習型AIの2種類があります。ルールベース型AIは、あらかじめ定義されたルールに基づきAIが作業し、機械学習型AIは、データを自ら学習し、解析することでパターンを見つけます。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、商品にあわせ最適な方式を選定することが大切です。詳細は、下記の記事で解説しておりますので、あわせてご覧ください。

【関連リンク】
>自動発注システムの種類と特徴とは

発注業務における需要予測にAIが役立つシーン

小売業において、発注業務における需要予測にAIが役立つシーンには、次のものが挙げられます。

人による需要予測と発注は業務負荷が高いと感じるとき

需要予測は、長年、発注者の経験と勘によって行われてきました。安全在庫の考え方を踏まえるのはもちろんのこと、最低陳列量を守り、店舗の方針なども汲み取る必要があります。これらは、非常に業務負荷が高いのが実情であり、属人化もしやすくなっています。人手不足の課題もある中、AIが代わり需要予測を行うことで、大きな負荷軽減と効率化につながります。

需要予測の読み違いが多く、廃棄ロスが発生しているとき

異常気象やパンデミックなどの先行きが読みにくい昨今、需要予測の読み違いが起きやすくなっています。読み違いにより適正在庫を維持できず、廃棄ロスが増えているといった課題がある場合、AIによる需要予測の自動化は解決の一助となります。

販売期間が短く、需要予測が難しい日配品や生鮮食品の発注も予測したいとき

一般的に日配品や生鮮食品は需要予測がむずかしいため、あまり行われてこなかった分野です。しかしAIの精度が向上してきているため、需要予測に活用することで日配品や生鮮食品の新たな発注業務の効率化につながります。

AI自動発注を活用するメリット

AIによる自動発注を活用することで、次のメリットが得られると考えられます。

人的コスト・リソースの大幅な軽減

AIが発注担当者に代わって需要予測を行い、発注数量を算出してくれるため経験が少ない従業員でも発注業務を担当することができます。その結果、人的コストやリソースの大幅な軽減につながります。ただし、AIによる需要予測も仮説・検証、必要に応じたパラメータ設定は必要です。運用をすべてAIに任せたいとの過度な期待は禁物です。

品出し業務の負荷低減・生産性向上

AI需要予測による自動発注で発注数が適正化されれば、過剰在庫が減り、入荷整理や品出し業務の負荷が削減されることで、生産性向上に寄与します。削減できたリソースを接客や売り場整理などのサービス向上などに配分することも可能です。

在庫数適正化による廃棄ロス削減

AIは、欠品や廃棄ロスを最小化するために最適な在庫数算出し、それをもとに発注数を算出します。在庫数が適正化されるため、廃棄ロスの削減につなげることができます。

発注業務の属人化解消

発注業務は、従来、専門の人材が担うものでしたが、AIが代替することで属人化の解消および標準化も実現できます。なお、標準化については選定するシステムやAIによっても変わってきます。標準化を目指す場合は、よりシステムの動作が理解しやすく、ブラックボックス化しにくいルールベース型AIを選ぶことをおすすめします。

AI自動発注システムのデメリット

システム導入・メンテナンスコストがかかる

AI自動発注システムの導入の際には開発・カスタマイズ等のまとまった初期費用がかかり、また、導入後もメンテナンス等、継続的なコストが発生します。そのため、導入にあたっては費用対効果について十分に検討する必要があります。

技術的なトラブルが発生する場合がある

自動発注システムには障害やシステムの不具合等が発生するリスクもあり、実際に発生した場合、迅速な対応が求められるため、万一のトラブルに備え、しっかり対応策を検討・準備しておくことが重要になります。

従業員への周知やルール変更が必要

自動発注システムの導入にあたっては、社内の在庫管理・発注関連のフローが大きく変わるため、従業員への周知やルール変更なども必要になります。導入にあたって混乱が生じないよう、十分な準備と周知を行う必要があります。

AI搭載の自動発注システムの導入・活用のポイント

AIを搭載した自動発注システムを導入する際には、次のポイントを押さえることで、投資対効果が期待できます。

需要予測の精度の高さを重視する

システムを導入すれば発注が自動化されますが、備わる需要予測機能の精度がどのくらい高いのかによって結果は変わってきます。精度が低ければ、在庫数の適正化や廃棄ロス削減のメリットが十分に得られなくなってしまいます。高い精度を実現するには、いかに多くの種類の過去データを準備し、システムで利用できるかが重要です。

また、あらゆる方向からの需要予測アプローチを行うことも、精度向上に役立ちます。例えば、ブライセンが提供する需要予測型クラウド自動発注システム「B-Luck」に備わる「需要予測型自動発注」機能では、独自カテゴリごと、季節・気温を考慮した季節商品ごとの需要予測、複数の計算方法による適正在庫管理機能など、さまざまなアプローチが可能です。これらの機能を活用することで、精度の高い需要予測を実現できます。

高度なAIシステムになるほど専門のサポートを検討する

導入するシステムが、高度なAIシステムになればなるほど、店舗ごとの商品の特性や需要にあわせて最適化していく必要があるため導入後のメーカーサポートが必要になってきます。
B-Luckでは、専任の自動発注管理人が伴走し、業務の課題解決に関してお客様のサポートを行っております。

自社業務に最適なカスタマイズ対応が可能かどうかを確認する

システム導入の目的は、ただ自動化することではなく、課題を解決することにあるため、導入するシステムを選定する際には、自社業務に最適なカスタマイズ対応が可能かどうかを確認することをおすすめします。
B-Luckでは、常にお客様に寄り添い、変化する時代ニーズに対応できるよう、環境に合わせた柔軟なカスタマイズにご対応しております。

まとめ

小売業における発注業務のAIによる自動化についてご紹介しました。AIによる自動発注システムの導入を検討している場合には、メリット・デメリットをしっかり理解し、現在、抱えている発注業務の課題を把握したうえで、最適なシステム選定を進めてください。

B-Luckは、在庫管理、需要予測、自動発注、特売予測、運用Webアプリ機能で構成されるクラウドサービスであり、AIを活用した需要予測型自動発注と適正管理を実現可能です。

需要予測と自動発注については、どこよりも高い自動発注精度および専任の自動発注管理人による強力サポートを、満足度の高い適正価格でご提供いたします。

ご興味のある方は、ぜひサービスページをご覧いただき、ご不明点はお気軽にお問い合わせください。

>「B-Luckの需要予測型自動発注」の詳細はこちら

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