流通業界の動向と課題
流通業界の動向と課題は多岐にわたりますが、いくつか一般的なトピックを挙げてみました。
サステナビリティ(SGDs)と環境配慮
消費者の関心が環境に対する配慮に向かっているため、流通業者はSGDsの取組みに代表されるようにサステナビリティを重視する状況になっております。リサイクル可能な包装材料の使用、フードロスの削減などがその例です。
人手不足と労働力の問題
人手不足は、流通分野でも深刻な問題となっています。賃金も上昇しているだけでなく、パートタイマーの正規社員化など処遇改善が必須の状況です。ギグワーカーや外国人労働者も多くなってきましたので、労働生産性を向上させる事が重要となっております。
物流2024年問題
物流2024年問題は流通業だけでなく社会全体の問題となっております。
2024年4月1日以降、トラックドライバーの時間外労働時間の上限が年960時間に制限されることにより、人手不足だけでなく、物流コストが増大すると言われております。今後更なるコスト削減や収益力向上が求められます。
これら流通業界の様々な課題に対して、実は自動発注が有効な手段であることを順次ご説明させて頂きます。
小売業・卸業からの現状の声
小売業や卸業の皆様にお話をお聞きすると次の様な生の声を良くお聞きします。
小売業の声
- ・発注や品出し作業に追われて、売場作りや接客に時間が取れない
- ・難しい発注業務はベテランさんにやって貰いたい
- ・欠品が多く、お客様に申し訳ない
- ・在庫が多く、どこに商品があるかが分からない
- ・賞味期限切れで廃棄に廻ってしまう商品が多い
- ・特売前日の入荷が膨大で大変
卸業の声
- ・欠品を起こさない様に在庫が多くなってしまう
- ・適正在庫が判らない。勘と経験で対応している
- ・小ロットでもトラックを利用してしまう。配送効率が悪い
- ・営業所ごとにカテゴリー単位の発注担当者が必要で人を減らせない
経営者の声
- ・売上を向上したい
- ・経費(特に人件費)を削減したい
- ・労働生産性を上げて、利益を設備投資や従業員に還元したい
小売業・卸業がDXに取り組むメリット
小売業・卸業がDXに取り組むメリットには以下の3つがあります。
業務を効率化できる
小売業・卸業がDXに取り組む一番のメリットは、業務の効率化です。小売業・卸業では在庫管理や商品の発注業務が発生しますが、手動で行えば大幅に時間がかかり、さらに多くの商品の情報を確認するため負担も大きくなります。このような作業をDX化することで、作業時間を短縮し、業務負担を軽減することで効率化することができます。また在庫のカウントミスや、発注の漏れなども軽減できるため無駄な作業を減らし生産性を上げることにもつながります。
コスト削減につながる
小売業・卸業では、取り扱う商材数も多く、人がアナログで対応することで膨大な作業が発生し、人件費もかかってしまいます。しかしシステムや機器を使用しDXに取り組むことで、作業を簡略化、また自動化し業務時間を短縮することができます業務時間が短縮されることで人件費の削減が可能となります。また、膨大なデータを短時間で分析することで適切な在庫状況、発注数量を把握し無駄な在庫や発注を抑制することができ、廃棄ロスの削減にもつながります。
ヒューマンエラーを減らせる
人が業務を行う限り、どうしてもミスが発生してしまいます。小売業・卸業は取り扱う商材数が多かったり、レジ業務など繰り返し行う作業もありヒューマンエラーが多くなってしまいがちです。しかしDXにより、人が関与する業務を減らすことで、ヒューマンエラーを最小限に抑えることができます。
自動発注が解決できる小売/卸業の課題・問題点
B-Luck自動発注は、ただ単に小売/卸業の発注業務の自動化ツールではありません。勿論、小売/卸業の発注業務が効率化されるのは勿論ですが、在庫を最適化する事で様々なお客様の課題や問題が解決できます。
発注時間削減
現在お客様がセルワン等の自動発注を導入されていないのであれば、小売/卸業の発注業務に関わる時間は9割以上削減されます。B-Luck自動発注が推奨した発注数を画面で確認して問題がなければ、承認のボタンを押して頂ければ結構です。
在庫削減
B-Luck自動発注では小売/卸業の欠品を最小化するレベルで在庫削減も可能です。導入によって、バックヤードの在庫がすっきりしたと言うお声も聞きます。
欠品率改善
在庫を増やせば欠品率は下がりますが、B-Luck自動発注では在庫削減を行うだけでなく、欠品も削減します。小売/卸業の導入企業では欠品率が45%改善した事例も御座います。
売上拡大
欠品率改善により、チャンスロスがなくなり、売上が向上するだけでなく、売れる商品の在庫を増やして行くので売上向上が見込めます。あるカテゴリーの事例では15%売上が向上した事例も御座います。
廃棄削減
在庫が最適化されるので、無駄な入荷が無くなりますので、結果廃棄も削減されます。あるお客様では40%削減された事例も御座います。フードロス問題の解決策のひとつになっています。
品出効率向上
発注数が適正化されるので結果入荷数も減ります。あるお客様では入荷件数が11%削減した事例も御座います。
入荷量平準化
週末の特売日の入荷が金曜日に集中するので、水曜日位から入荷をしたり、曜日によって入荷数のバラつきがある場合はそれを平準化する事が可能です。
配送効率向上
卸業様では、ロット管理(まとめ発注)により、10トン車が8割以上の積載量になったらメーカーに発注する等のコントロールが可能です。これにより配送効率が向上します。
自動発注に関する小売/卸業の企業の声
食品スーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンター等の小売業または卸業で自動発注を導入しているケースは多いと思います。
自社(情報システム部)にてスクラッチで構築しているケースもあるでしょうし、基幹システムのサブパッケージとして導入されているケースや自動発注専業ベンダーの仕組みを導入しているケースなど様々です。
上手く行っている場合は良いのですが、色々な企業の方にお声をかけると、導入後、様々な課題や問題点があり、それが解消できない事から、店舗やセンターの現場の方々から、「うちの自動発注は精度が悪いので使えない」とか「仕方ないので一部のカテゴリー(部門)のみで利用している」とかの声を良く聞きます。
また自動発注を導入していない企業では何故導入しないのかを確認すると「基幹システムを手組み(若しくはパッケージでもカスタマイズ満載)で構築しているため、新しい事を実施しようとすると“多大なる費用”が発生するので、投資効果が見込めづらい」「基幹システムが古く、新しい事を実施するにあたり、手を入れようとしても影響度の範囲が広く簡単には対応が出来ない」「基幹システム刷新の話はあるが、その際に検討する事象として捉えられ、新しい事を実施しようとしても先送りされる」などの理由が多い様です。
特に基幹システムは、企業の受発注を司るだけでなく、経理・財務にも直結する仕組みが多いので企業としても大きな投資をする事が多く、そのメンテナンス(運用)にもランニング費用が数百万、数千万とかかる事が多いため、そこに手を入れるのに二の足を踏むことが多い様です。
小売/卸業の自動発注導入を成功させる3つの秘訣
自動発注を既に導入していても上手く行っていない企業やまだ導入がされていない企業が自動発注を成功させる3つの秘訣をお教えします。
基幹システムの改修を最小限にして自動発注を導入する
既に自動発注を導入していても上手く行っていない場合やまだ導入をされていない場合は、基幹システムとは疎結合で対応可能なクラウド型(SaaS)の自動発注を導入システムする事です。B-Luck自動発注は正にクラウド型(SaaS)の自動発注ですので、インターフェースだけ取れば、基幹システムの改修を最小限にして導入が可能です。新たに基幹システムを刷新する計画がある場合でも、インターフェースが同じであれば、新基幹システムになっても同様のサービスメリットが享受できます。
課題解決型のソリューションを選定すること
前述の「自動発注が解決できる課題・問題点」で述べた通り、B-Luck自動発注では様々な課題を解決に導く事が出来ます。自分の会社の課題は何かを現場も交えて洗い出しを行い、実現したい事をお伝えください。効果が数字で出る様になれば、自動発注プロジェクトは評価されますし、新たな投資も生みやすくなります。
お客様と伴走型の運用サポートがあること
自動発注は一度導入したからと言って、それで精度が維持される訳ではありません。B-Luck自動発注では、お客様専任の自動発注管理人(一般的にはシステムエンジニアとかデータサイエンティストと呼ばれる当社社員)が以下の運用サポートを行い、自動発注の精度を高め、維持する事をしています。
① 自動発注採用率向上サポート
自動発注採用率が上がらない店舗に対して、何が問題かをデータをもとに提案し、採用率を高めるサポートを致します。
② 発注問合せ対応
発注推奨値について「何故この発注数になったのか?」とかの問合せなどに対して、調査と回答を行います。
③ 週次レポート出力
欠品率推移、発注採用率推移など様々な要望に沿った内容のレポートをご提供致します。
④ 月例会実施
自動発注管理人が月例会を実施し、お客様の運用課題、要望についてお打合・対応致します。
⑤ 障害対応
インターフェース障害や、連携遅延時に専任の自動発注管理人がリカバリ対応を行います。
B-Luck自動発注では、これら運用サポートを月額費用の中で実施します。
最後に
システムや運用サポートが良い事は前提になりますが、最終的に自動発注プロジェクト等のDXを成功させるためには、経営TOPが自ら関与し、自ら推進していく姿勢とチャレンジできる経営環境づくりが大切です。
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