COLUMN

食品ロス削減アプリとは?事業者のメリット・デメリットと活用事例を解説

2026.08.05

食品ロス削減アプリとは、売り切れずに廃棄しそうな食品を、割安で買いたい消費者につなぐアプリです。フードロス削減アプリとも呼ばれます。飲食店や小売店は、余った食品を出品して売り切ることで、廃棄を減らしながら売上や新規客の獲得につなげられます。近年は大手コンビニも活用を始め、事業者の廃棄対策の一つとして注目される存在です。

本記事では、食品ロス削減アプリでできることや、事業者にとってのメリット・デメリット、活用事例までを解説します。自社の廃棄削減を考える際の参考にしてください。

食品ロス削減アプリとは?

食品ロス削減アプリとは、まだ食べられるのに売り切れず、廃棄されそうな食品を、消費者とマッチングするアプリです。その多くは「フードシェアリング」と呼ばれる仕組みで、事業者が余剰食品を出品し、消費者が割安で購入します。飲食店や小売店にとっては、捨てるはずだった食品を売上に変えられる手段です。

アプリは、店舗まで受け取りに行く「店舗訪問型」と、配送で届く「通販型」に大きく分かれます。店舗訪問型は飲食店やパン屋など地域の店舗に向き、通販型は賞味期限が近い在庫を全国へさばきたいメーカーや小売に向いています。自社の業態や在庫の性質に合わせて選ぶことが大切です。

食品ロス削減アプリの種類とできること

食品ロス削減アプリは、受け取り方やあつかう商品によっていくつかのタイプに分かれます。ここでは、事業者が知っておきたい種類とできることを見ていきます。

  • 店舗訪問型のアプリ
  • 通販型のアプリ
  • 代表的な食品ロス削減アプリ

店舗訪問型のアプリ

店舗訪問型は、消費者が店舗まで商品を受け取りに来るタイプのアプリです。飲食店やパン屋などが、閉店までに売り切れそうにない料理やパンを出品し、近くの消費者が割安で購入します。アプリ上で受け取り時間の指定や決済まで済むため、店側は商品を渡すだけで完結します。

代表的なToo Good To Goでは、余った食品を詰め合わせた「サプライズバッグ」を定価の半額以下で提供する仕組みが特徴です。TABETEのように、月額の固定費がかからず使いたいときだけ出品できるアプリもあり、店舗の負担を抑えやすくなっています。

通販型のアプリ

通販型は、出品した商品を配送で消費者に届けるタイプのアプリです。賞味期限が近い加工食品や規格外品などを登録し、全国の消費者へ販売できます。地域を問わず売り先を広げられるため、まとまった在庫をさばきたい事業者に向いた仕組みです。

通販型のKuradashiは賞味期限が近い商品を中心にあつかい、大幅な割引で売り切る仕組みで知られています。発送の手間はかかるものの、店頭では出会えない遠方の顧客にも届けられる点が強みです。

代表的な食品ロス削減アプリ

代表的な食品ロス削減アプリには、それぞれ得意な領域があります。店舗訪問型ではToo Good To GoやTABETE、自治体と連携したタベスケなどが知られる存在です。通販型ではKuradashiが広く使われており、賞味期限が近い在庫の販売に向いています。

アプリを選ぶ際は、あつかう商品のジャンル、割引率、対応エリア、手数料や会費の有無を見比べることが大切です。来店を前提とする店舗訪問型は対応エリアを、通販型は送料や発送の手間を、それぞれ事前に確かめておきましょう。

事業者が食品ロス削減アプリを使うメリット

食品ロス削減アプリは、廃棄を減らすだけでなくさまざまなメリットがあります。

おもなメリットを3つに整理します。

  • 廃棄と廃棄コストを削減できる
  • 売上増と新規顧客の獲得につながる
  • SDGsへの貢献とブランディングになる

廃棄と廃棄コストを削減できる

廃棄コストの削減は、食品ロス削減アプリを使ういちばんのメリットです。売れ残りそうな食品を出品して売り切れば、捨てるはずだった食品と、その廃棄にかかる費用の両方を減らせます。仕入れや製造にかけた原価を、少しでも回収できる点も見逃せません。

定価では売りにくい商品でも、割安なら買い手が見つかりやすく、廃棄に回る前に現金化できます。とくに閉店間際の総菜やパンなど、時間とともに価値が下がる商品ほど効果を実感しやすくなります。

売上増と新規顧客の獲得につながる

売上と新規顧客の獲得も、アプリならではのメリットです。アプリの利用者は、お得に食品を買いたい人や食品ロス削減に関心のある人が多く、これまで接点のなかった層に商品を届けられます。割安な商品をきっかけに、店を知ってもらう入り口としても働く仕組みです。

アプリで店を知った消費者が、後日あらためて来店したり通常商品を買ったりする流れも期待できます。廃棄を減らす取り組みが、新たな売上や常連客づくりにつながっていく点が魅力です。

SDGsへの貢献とブランディングになる

SDGsへの貢献も、食品ロス削減アプリを使う意義の一つです。食品ロスの削減は、SDGsの目標にも掲げられた社会的な課題であり、取り組みそのものが企業の姿勢を示します。環境や社会に配慮する店として、消費者からの共感を得やすい取り組みです。

アプリ上での活動は消費者の目に触れやすく、廃棄を減らす姿勢を自然に発信する機会になります。近年は環境への配慮を重視して店を選ぶ消費者も増えており、ブランド価値を高める後押しにもなっていきます。

事業者が押さえておきたい食品ロス削減アプリのデメリット・注意点

便利な食品ロス削減アプリにも、事業者として知っておきたい注意点があります。導入前に押さえておきたいデメリットを3つ挙げます。

  • 手数料と値引き販売で粗利が下がる
  • 受け渡しや発送のオペレーション負担がかかる
  • 余剰そのものの発生は減らせない

手数料と値引き販売で粗利が下がる

手数料と値引きによる粗利の低下は、まず意識すべきです。。多くのアプリは販売額に応じた手数料がかかり、そのうえ商品を割安で売るため、通常販売より利益は薄くなります。廃棄を避けられる一方で、売れば売るほど粗利が薄くなる点にも注意が必要です。

廃棄していた商品を現金に変えられる意味は大きいものの、値引き前提の販売が常態化すると、通常価格での売上を圧迫するおそれもあります。手数料の水準や出品する商品の範囲を見きわめ、あくまで売れ残り対策として使う姿勢が大切です。

受け渡しや発送のオペレーション負担がかかる

オペレーションの負担も、見落とせないデメリットです。店舗訪問型では、出品や在庫の更新、受け取りに来た客への対応といった作業が日々発生します。通販型では、梱包や発送の手間も加わる分、現場の負担は大きくなりやすい仕組みです。

繁忙の時間帯に受け渡し対応が重なると、通常業務を圧迫し、かえって現場が混乱することもあります。運用のルールを決め、無理なく続けられる範囲で出品することが、長く活用するこつです。

余剰そのものの発生は減らせない

アプリの活用は、あくまで出てしまった余剰を売り切る対症療法です。売れ残りが出てから安く販売する仕組みのため、なぜ余ったのかという原因までは解決しません。発注や仕込みの精度が低いままでは、翌日もまた同じように余剰が生まれます。

廃棄を根本から減らすには、余剰を売る手段に加えて、そもそも余りを生まない発注や在庫の仕組みが欠かせません。出てしまった食品をさばくアプリと、発生源から減らす仕組みを組み合わせてこそ、廃棄は着実に減らせます。

食品ロス削減アプリの活用事例

ファミリーマートは、食品ロス削減アプリのToo Good To Goと連携した実証実験を、2026年1月から東京都内の6店舗で始めました。消費期限が迫った商品と、食品ロス削減に関心のある消費者を、アプリ上でマッチングする取り組みです。余った食品を詰め合わせた「サプライズバッグ」を割安で提供する形式に加え、恵方巻の販売でもアプリを役立てる試みです。

ファミリーマートは以前から、値下シールに「たすけてください」のメッセージを添えた「涙目シール」を全国展開し、廃棄削減に取り組んできました。値下げの施策などにより、店舗の廃棄量を前年同期比で約5%削減し、年間およそ3,000トンの削減を見込んでいます。アプリと店頭の値引きを組み合わせ、店内外の両方から廃棄を減らそうとする動きです。

出典:食品ロス削減の取り組み|ファミリーマート

アプリだけでは減らせない「発生源の廃棄」もB-Luckで解決

アプリは出た余剰を売り切る手段ですが、余剰そのものを生まない仕組みも欠かせません。ここでは、弊社のB-Luckが発生源からどう廃棄を減らすのかを紹介します。

  • 需要予測にもとづく自動発注で余剰を生まない
  • AI値引で店頭の売り切りまで最適化する

需要予測にもとづく自動発注で余剰を生まない

B-Luckの強みは、余剰が生まれる前の発注段階から廃棄を抑えられる点です。AI需要予測型自動発注は、気象や曜日、特売などのデータを学習し、商品ごとの発注推奨値を自動で算出します。仕入れや仕込みの量を売れ行きに近づけることで、そもそもの過剰在庫を抑える仕組みです。

発生源で余剰を抑えられれば、アプリで安く売り切る前の段階から廃棄そのものを減らせます。担当者の経験に頼っていた発注をデータで補えるため、日々のばらつきも小さくなっていきます。

AI値引で店頭の売り切りまで最適化する

AI値引は、店頭での売り切りを無駄なく進める仕組みです。販売実績と在庫をもとに、売り切りと利益確保のバランスが取れた値引き額を自動で提案します。一律の値引きに頼らず、商品ごとに最適な価格で売り切ることを後押しする機能です。

アプリでの販売に回す前に、まず店頭で適正な価格で売り切れれば、粗利を守りながら廃棄を減らせます。AIを使った食品ロス削減の考え方は、食品ロス削減にAIはどう活かせる?需要予測・事例・導入のポイントを解説もあわせてご覧ください。

まとめ

食品ロス削減アプリは、売れ残りそうな食品を割安で消費者につなぎ、廃棄を売上に変えられる便利な仕組みです。飲食店や小売店にとっては、廃棄コストの削減や新規顧客の獲得、SDGsへの貢献といった効果が見込めます。

一方で、手数料や値引きによる粗利の低下、受け渡しや発送の負担、そして余剰そのものは減らせないという限界もあります。アプリはあくまで出てしまった余剰をさばく手段で、廃棄を根本から減らすには発生源からの対策が欠かせません。

弊社のB-Luckなら、AI需要予測型自動発注で余剰の発生を抑え、AI値引で店頭の売り切りまで最適化できます。食品ロス削減アプリと組み合わせながら、発生源からの廃棄削減と利益の両立をかなえましょう。

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