賞味期限入力を効率化するには?手入力の限界とAI・OCR活用の進め方を解説
賞味期限入力とは、商品に印字された期限の日付をシステムや管理表に登録する作業です。店舗では入荷時の登録、棚のチェック、値引きや撤去の判断と、1日のなかで何度も発生します。
商品点数が増えるほど入力の負担は重くなり、打ち間違いや登録漏れも避けにくくなるのが実情です。
本記事では、賞味期限入力の方法と特徴、ミスが生まれる原因、AIやOCRを使った省力化の進め方を、店舗運営の責任者に向けて解説します。期限管理の見直しを進める材料としてお使いください。
賞味期限の入力方法と特徴
賞味期限の入力方法は、紙の台帳からOCRによる自動読み取りまで幅があります。それぞれ費用と手間のかかり方が違うため、ここでは代表的な4つを紹介します。
| 入力方法 | 初期費用 | 入力ミスの起きやすさ | 向いている規模 |
| 紙の台帳に手書き | ほぼなし | 高い | 単一店舗で品目が少ない |
| エクセルに手入力 | ほぼなし | やや高い | 小規模から中規模 |
| バーコードをスキャン | 端末の費用が必要 | 低い | 中規模以上 |
| OCRで日付を読み取り | 端末の費用が必要 | 低い | 多店舗展開 |
- 紙の台帳に手書きする
- エクセルに手入力する
- バーコードをスキャンして商品を特定する
- OCRで日付を読み取る
紙の台帳に手書きする
紙の台帳は、費用をかけずに始められる方法です。商品名と入荷日、賞味期限を書き込むだけなので、新しく入ったスタッフでもすぐに扱えます。ただし、商品点数が増えるほど記入漏れと読み間違いが増えていきます。
台帳は検索性も低く、過去の記録をさかのぼるだけで手間がかかる点も弱みです。複数店舗の情報を本部でまとめるのも難しいため、単一店舗で品目が限られる場合に向いた方法です。
エクセルに手入力する
エクセルは、紙からの最初の一歩として選ばれる方法です。関数を使えば残日数の自動計算や期限切れの色分けができ、追加の費用もかかりません。一方で、日付を入力する工程は手作業のまま残ります。
運用が続くほど、ファイルが重くなる、最新版がどれか分からなくなる、関数を作った担当者しか中身を理解できないといった問題も出てきます。通知機能がないため、ファイルを開かなければ期限切れに気づけません。具体的な作り方は、賞味期限チェックを自動化する方法!エクセル管理の方法やツールでの自動化も紹介で解説しています。
バーコードをスキャンして商品を特定する
バーコードのスキャンは、商品名や商品コードの入力をなくす方法です。ハンディ端末やスマートフォンで読み取れば、どの商品かをシステムが自動で判別します。商品の取り違えと商品コードの打ち間違いは、この時点でなくなります。
ただし、バーコードに期限の情報は入っていません。日付そのものは別に入力する必要があるため、スキャンだけでは入力の手間が半分残ります。
OCRで日付を読み取る
OCRは、印字された日付をカメラで読み取って登録する方法です。バーコードのスキャンと組み合わせれば、商品の特定から日付の入力までを端末だけで完結できます。キーボードから日付を打ち込む工程がなくなるため、3と8の見間違いのような打ち間違いも起こりません。
とくに、多店舗を展開する企業ほど効果が出ます。読み取りの精度は印字の状態に左右されるため、導入前に自社で扱う商品のラベルで試しておきましょう。
賞味期限入力でミスや手間が生まれる原因
入力方法を変えても、現場の事情によっては手間が減らない場合もあります。原因を先に押さえておくと選び方を誤らずに済むため、ここでは3つ挙げます。
- 日付の印字形式が商品ごとに違う
- 入力作業が接客や品出しで中断される
- 登録したデータの消し込みが追いつかない
日付の印字形式が商品ごとに違う
日付の印字は、メーカーや商品によってばらつきます。年月日まで印字された商品もあれば、年月だけの商品や、製造年月日しか書かれていない商品もある状態です。製造年月日しか印字されていない商品では、賞味期限日数を足す計算が人の頭に委ねられます。
印字の場所も、フタの上、底面、側面のシール上とさまざまです。1点ずつ探して読み取る動作が積み重なり、入力の前段階で時間を取られます。
入力作業が接客や品出しで中断される
入力作業は、まとまった時間を取れないまま進みがちです。売場の担当者は品出しやレジ応援を抱えており、お客様に声をかけられれば作業はそこで止まります。どこまで入力したかが分からなくなり、同じ棚を二度確認する場面も生まれてしまいます。
中断が前提の環境では、1商品あたりの操作数が少ない方法ほど現場に定着しやすいはずです。端末を片手で操作できるか、画面の項目が少ないかは、選定時に確認してみてください。
登録したデータの消し込みが追いつかない
登録より難しいのが、売れた商品や廃棄した商品をリストから消す作業です。消し込みが遅れると、すでに棚にない商品のアラートが鳴り続けます。通知が実態と合わなくなると、担当者はアラートを見なくなってしまいます。
期限管理が定着しない原因は、登録の手間ではなく消し込みの放置です。POSの販売実績と連動して自動で消える仕組みを選ぶか、消し込みの担当と時間を決めておきましょう。
賞味期限入力の負担を減らす方法
賞味期限の入力の負担は、入力そのものを速くする方向と、入力する対象を減らす方向の両方から減らせます。取り組みやすい順に4つ紹介します。
- 商品マスタと連携して入力対象を絞る
- 製造日と賞味期限日数から日付を自動算出する
- OCR付きハンディ端末で日付の入力を自動化する
- 入力履歴を残して原因を追える状態にする
商品マスタと連携して入力対象を絞る
賞味期限入力の負担を減らすには、基幹システムの商品マスタと期限管理の仕組みをつなぎましょう。商品名や商品コード、部門ごとの期限ルールをシステム側がもっていれば、店舗で商品情報を登録し直す作業がいりません。新商品の取り込みや取り扱い終了商品の消し込みも、マスタ側の更新だけで反映できます。
さらに、期限が近づいた商品だけをアラートで抽出する運用にすれば、全商品を回る必要もなくなります。入力の速さを上げるより、入力する対象そのものを減らすほうが効果は大きいはずです。
製造日と賞味期限日数から日付を自動算出する
店内で加工する商品は、日付を計算させる設定にしておきましょう。商品マスタに賞味期限日数を登録しておけば、加工した日を入力するだけでシステムが年月日を算出します。惣菜やベーカリーのように毎日日付が変わる商品ほど、計算をなくす効果が出ます。
手計算がなくなると、日付の書き間違いや部門ごとのルールの覚え違いも起こりません。パートやアルバイトの方が担当する売場では、教える手間そのものも減らせるはずです。
OCR付きハンディ端末で日付の入力を自動化する
日付そのものの入力は、OCR付きの端末に任せましょう。商品のバーコードを読み、続けて日付の部分にかざすだけで登録が終わるため、キーボード操作が不要になります。入力にかかる時間だけでなく、教育にかかる時間も同時に短くできます。
導入前には、自社で扱う商品のラベルで読み取りを試しておきましょう。印字がかすれている商品や、透明フィルム越しの印字は読み取りにくい場合もあります。
入力履歴を残して原因を追える状態にする
賞味期限の入力の記録は、誰がいつ処理したかまで残しましょう。期限切れの商品が売場に残っていた場合でも、どの店舗のどの商品を、いつ誰が処理したのかをさかのぼれます。記録が残っていれば、お客様からのお申し出にも事実にもとづいて答えられます。
本部から各店舗の登録状況やアラート件数を確認できる状態にしておけば、対応が遅れている売場にも早く気づけるはずです。個人を責めるためではなく、仕組みを直す材料として使いましょう。
賞味期限入力の省力化にはB-Luck賞味期限チェックがおすすめ
賞味期限入力の負担を仕組みで減らすなら、弊社のB-Luck賞味期限チェックをおすすめします。定期的な全商品チェックをやめ、賞味期限アラートが出た商品だけをチェック対象にする循環式の仕組みです。商品マスタや賞味期限ルールは基幹システムとの連携を前提としているため、店舗で商品を登録し直す処理がいりません。
日付の入力には、OCRを搭載したキーエンス社製DX-A600/800のハンディターミナルを利用できます。片手で操作でき、アラートがある場合はメールでも通知が届くため、紙のリストを印字する必要もありません。
実際に2025年8月時点で全国3,240店舗が採用しており、導入後の期限チェック作業時間の削減率は75〜80%です。あるドラッグストアでは、期限チェック確認作業の約70%を削減しました。システムとOCR付きハンディ端末を購入した場合の投資回収期間は、約2年が目安です。
※なお、対象となるのは賞味期限が2週間以上ある商品です。日配品のように期限が短い商品は毎日アラートが出るため適していません。
賞味期限入力に関するよくある質問
賞味期限入力について、店舗の現場から寄せられることの多い疑問をまとめました。判断の材料としてお役立てください。
賞味期限は毎日入力しなければなりませんか
毎日すべての商品を入力する必要はありません。期限が近づいた商品だけをアラートで抽出する仕組みにすれば、入力の対象は大きく減らせます。まずは、いま何品目を毎日確認しているかを数えてみてください。
バーコードを読み取れば賞味期限も自動で入りますか
商品のバーコードに期限の情報は含まれていません。バーコードで分かるのは商品の特定までで、日付は別に入力するか、OCRで読み取る必要があります。アプリによっては商品名だけが補完され、日付は手入力という仕様もあるため、導入前に確認しておきましょう。
OCRで読み取れない日付はありますか
印字がかすれている商品や、透明フィルムに光が反射する商品は読み取りにくくなります。自社で扱う商品のうち、印字が弱いものを何点か選んで事前に試しておくと判断しやすくなります。読み取れない商品は手入力に回す運用を決めておきましょう。
エクセルとシステムはどちらから始めるべきですか
店舗数と品目数で判断が分かれます。単一店舗で品目が限られるならエクセルから、複数店舗で本部が状況を把握したいならシステムからの検討をおすすめします。チェック表の作り方は、賞味期限チェックのやり方やコツを紹介!わかりやすい期限チェック表の作り方もを参考にしてみてください。
まとめ
賞味期限入力は、紙の台帳からOCRによる読み取りまで方法が分かれます。費用をかけずに始めるならエクセル、入力ミスをなくすならバーコードとOCRの組み合わせと、店舗の規模によって適した方法は変わります。
入力が続かない原因は、登録の手間だけではありません。印字形式のばらつき、作業の中断、消し込みの遅れが重なって、仕組みそのものが形骸化していきます。まずは、いま何品目を毎日確認しているかを把握するところから始めてみてください。
そのうえで、商品マスタとの連携やアラートによる絞り込みを取り入れれば、入力する対象自体を減らせます。人の手で数えて打ち込む運用から仕組みで支える運用へ切り替え、期限切れの出ない売場をかなえましょう。
お役立ち資料
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- 賞味期限チェックでよくあるお困りごと
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